雨のち、木漏れ日。

労災事故の加害者になった今、自分に出来ること。

警察の取り調べ

 

 

救急車が現場を離れてから間もなく、警察から携帯電話に着信がありました。

 

すぐに2~3名の警察官が来られて、現場検証が始まりました。私を始め現場にいた全ての人は事故発生前後の状況を細かに聞かれました。

 

時間が経つにつれて警察官の人数がどんどん増えていき、最終的には10数名来られたと思います。それぞれ所属する部署が違うためか、複数の警察官に同じようなことを繰り返し聞かれ、その都度重機に乗り込んで事故発生時の重機の位置や操縦方法、重機操縦時の視界や死角などを再現しました。

 

また、現場責任者の所在や道路使用許可申請の提出状況など現場管理に対することも聞かれましたが、管理業務については全く担当しておらず答えられませんでした。

 

1時間ほど現場での検証が済んでから、「事故の経緯を詳しく聞きたいので警察署に来てください。」と言われたので警察署へ行きました。

 

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到着後すぐに取調室に案内され、入口で「携帯電話と財布を預からせてもらいます。」と言われたので、専用のトレーに入れて預けました。入室は午後6時頃だったと思います。

 

供述調書を取りパソコンで文章に起こしていく旨を伝えられ、その際に私の権利について説明がありました。

 

現場で聞かれたことをさらに詳しく、より具体的にといった感じで、自分が覚えている限りを嘘偽りなく話しました。私の拙い表現力では警察官の方が十分に理解しづらい場面では、警察官の方が別の表現で私の同意を得るような形で進めていくため、かなり長い時間がかかりました。

 

途中で、「自動車運転免許証と健康保険証のコピーを取らせてほしい。」と言われ、警察官の方が部屋を出て携帯電話と財布が入ったトレーを持ってこられたので、財布から取り出して提出しました。そして警察官の方がコピーを取って戻って来られた時に、外部との連絡が取れない状況の私に、「被害者の方(警察では被害者と表現される)どうなったかご存知ですか?」と言われ、「わかりません。」と答えたら、「亡くなられたそうです。」と伝えられました。その言葉を聞いて、とてつもない悲しみ、恐怖と不安が一度にやって来たことを今でも鮮明に覚えています。

 

何でこんなことになったのだろうか?

 

ご遺族や会社の人たちなど関係者にどう謝罪すればいいのだろうか?

 

これから自分はどうなっていくのだろうか?

 

社会人として世間に受け入れられるのだろうか?

 

これから生きていけるだろうか?

 

というようなことが何度も頭によぎっていました。

 

その後、供述調書の作成も終わりを迎え警察官の方が作成したものを印刷して来られてその供述調書を読み上げ、「間違いがなければ人差し指にインクをつけて押印してください。」と言われたのでその通りにしました。

 

最後に、「何か言っておきたいこと、聞いておきたいことはありますか?」と言われたので、「被害に遭われた方とご家族に大変申し訳ないことをしてしまいました、ごめんなさい。」と言い、「この先私はどのような処分を受けるのですか?刑務所に行くことになるのですか?」と聞きました。そしたら警察官の方が、「事故後の措置として119番通報をして、警察の取り調べに対しても素直に応じていますし、身元や現住所もはっきりしていて逃亡の恐れもないので、そのような施設に行くことはないと思いますが、道路上での事故なので運転免許証の停止や取り消しといった行政処分があるかもしれません。」と言われました。

 

その時、重機は自動車運転免許証で操縦士する機械じゃないけどなぁ?と疑問に感じましたが、取り消しになったら生活は根底から変わるなぁ、大変なことになってしまった、という思いだけが残って取り調べが終わりました。時計を見たらちょうど午後9時を回ったところでした。

 

そして携帯電話と財布が返却されて初めて家族に連絡を入れることができ、掻い摘んで状況を報告してから救急車に同乗していった社長に連絡しました。そしたらまだ病院にいると言われたので私も向かうことにしました。